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文献詳細

雑誌文献

臨床外科58巻3号

2003年03月発行

文献概要

特集 Q&A器械吻合・縫合のコツ

Q5 アンビルヘッドを挿入中に腸管が裂けた場合はどうする?

著者: 大野聡1 高倉範尚1

所属機関: 1社会保険広島市民病院外科

ページ範囲:P.310 - P.311

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 「Q4」の項で述べた要領でアンビルヘッドを挿入しても,ときとして口側食道や口側腸管の一部が裂けることがある.その裂け方は,外膜(漿膜)筋層のみ裂ける場合と,粘膜を含め全層にわたって裂ける場合がある.アンビルシャフトにタバコ縫合糸を結紮した時点で,どのような裂け方をしているのかを十分に観察することが肝要である.全層が裂けている場合は,基本的にはやり直すか,器械吻合は諦めて手縫い吻合に切り替えるべきである(図1,2).

 しかしながらアンビルヘッドの半径の2/3程度の小範囲のものであれば,まず絹糸で裂けた部分の全層を拾って1針掛けて結紮し,それをもってアンビルシャフトにもう一度結紮すればまったく問題はない(図3,4).しかし裂けた部分が長すぎてセンターロッドに縫縮・結紮したときに,余剰の組織が縫合器よりはみ出るような場合には,かみ込みの高さに不均一が生じるため好ましくない吻合となる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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