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特集 Q&A器械吻合・縫合のコツ
Q18 ステイプルが形成不全の場合はどうする?
著者: 竹之下誠一1 大木進司1
所属機関: 1福島県立医科大学外科第二
ページ範囲:P.341 - P.342
文献購入ページに移動 自動縫合器は大きく2種類に分けられる.1つは2つのフォークの間に組織を挟み込んで,器械本体のノブを押しだすことによって,片側2列あるいは3列ずつのステイプルの間をナイフが通り,その結果,組織の切離と縫合が同時に行われるリニヤーカッター型(マルチファイヤーGIA(R)やプロキシメイトリニヤーカッター(R)など),もう1つは2列の互い違いのステイプルラインにて組織を縫合閉鎖するリニヤーステイプラー型(マルチファイヤーTA(R)やプロキシメイトリニヤーステイプラー(R),ロティキュレーター(R)など)である.本稿は使用条件や使用法上,多くのピットフォールが存在する前者を中心とする.
組織の確実な切離と縫合が行われ,正しいB型のステイプリング形成がなされるためには以下のような基本的な原則事項がある.①組織をまっすぐにステイプルが貫いていること,②組織から適度な長さのステイプルが突き出していること,③ステイプルの先端がアンビルにより正しい方向に導かれること,④正確なステイプル形成のために十分な力が加わることである(図1).これらの原則が1つでも守られなかった場合にステイプルの形成不全の可能性が生じる.そしてその発生要因としては,器械自体の問題あるいは不適切な使用方法が想定される.
組織の確実な切離と縫合が行われ,正しいB型のステイプリング形成がなされるためには以下のような基本的な原則事項がある.①組織をまっすぐにステイプルが貫いていること,②組織から適度な長さのステイプルが突き出していること,③ステイプルの先端がアンビルにより正しい方向に導かれること,④正確なステイプル形成のために十分な力が加わることである(図1).これらの原則が1つでも守られなかった場合にステイプルの形成不全の可能性が生じる.そしてその発生要因としては,器械自体の問題あるいは不適切な使用方法が想定される.
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