文献詳細
特集 栄養療法とformula
特殊病態下のformula
文献概要
SIRS・敗血症の病態は複雑であり,その栄養管理はきわめて困難である.近年,bacterial translocation(BT)の概念の導入や,各種の栄養成分によってSIRS・敗血症の病態をモジュレートしようというimmunonutritionの導入により,SIRS・敗血症に対する栄養管理は変化しつつある.しかし,実際に急性期のSIRS・敗血症患者に経腸栄養を行うことは困難であり,また最近,免疫増強経腸栄養剤(immune-enhancing diet:IED)がかえってSIRS・敗血症患者の死亡率を増加させる可能性があることも報告されている.SIRS・敗血症に対する適切な栄養formulaの確立には,さらなる検討が必要である.
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