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文献詳細

雑誌文献

臨床外科58巻6号

2003年06月発行

文献概要

特集 癌肝転移の治療戦略

転移性肝癌における局所波凝固療法の治療成績と問題点―マイクロ波凝固療法とラジオ波凝固療法を中心に

著者: 土居浩一1 江上寛1 別府透1 石河隆敏1 広田昌彦1 島田信也1 松田貞士1 小川道雄1

所属機関: 1熊本大学医学部第2外科

ページ範囲:P.767 - P.773

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 大腸癌を中心とした転移性肝癌に対して腫瘍径と存在部位から適切なアプローチを選択し,さまざまな工夫により合併症を予防し,局所凝固療法を行った.当科にて局所凝固療法を施行した大腸癌肝転移(40例)における5年累積生存率は37%であった.肝動注化学療法を行った症例(5%)よりも有意に良好で,肝切除症例(41%)との差は認めなかった.しかし転移性肝癌の組織学的特徴である腫瘍組織の線維化や微小転移巣のため,局所再発が25%に認められることから,適応を肝切除不能症例に限定するべきである.また局所再発の予防には十分なサージカルマージンの確保と局所化学療法の併用が必要である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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