文献詳細
文献概要
特集 癌化学療法レジメンの選択とその根拠:乳癌・肺癌・甲状腺癌
再発乳癌に対する標準的化学療法レジメン
著者: 佐伯俊昭1 高嶋成光1
所属機関: 1国立病院四国がんセンター臨床研究部
ページ範囲:P.917 - P.922
文献購入ページに移動QOLの観点から,再発乳癌化学療法は外来治療として行う.最適な化学療法のレジメンの選択は補助療法も含めて決定される.1次化学療法レジメンとしては,アントラサイクリンを含む多剤併用療法が勧められ,補助化学療法でアントラサイクリンが使用され,1年以内の再発,あるいはアントラサイクリンが禁忌である症例では積極的にタキサンを使用する.CMFは転移性乳癌を対象として検討された歴史的経緯があるが,現在では補助化学療法として汎用されている.新規薬物療法剤であり,分子標的薬剤としてtrastuzumab(ハーセプチン(R))がある.奏効率および無増悪期間は,化学療法単独群より化学療法剤+ハーセプチン(R)併用群が優れ,さらに生存期間も併用群が化学療法単独より優れていた.現在,転移性乳癌のHER2陽性症例ではハーセプチン(R)は鍵となる1次選択薬剤と考えられる.
掲載誌情報