臨床外科58巻8号

2003年08月発行

臨床報告 1

内攻型Fournier's gangreneの1例

著者： 日馬幹弘¹ 河北英明¹ 大久保利隆¹ 野牛道晃¹ 黒田直樹¹ 山梨美紀夫¹

所属機関： ¹医療法人社団東光会戸田中央総合病院外科

ページ範囲：P.1135 - P.1139

文献概要

はじめに

　Fournier's gangreneは比較的稀に見られる外陰部を中心とした急性化膿性炎症で，生命予後に影響をきたしうる重篤な疾患である^1）．従来，陰嚢・会陰部の皮膚所見の激しい症例を中心に報告がなされてきたが，近年，内攻型とよばれる会陰部の皮膚症状に乏しく腹壁，後腹膜へと急速に進展する症例が報告されている^2）．今回，血液透析患者に併発した本症例を経験したので文献的考察を含めて報告する．