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文献詳細

雑誌文献

臨床外科58巻9号

2003年09月発行

文献概要

特集 癌と紛らわしい各領域の諸病変

浸潤性膵管癌と紛らわしい疾患

著者: 河岡徹1 山本光太郎1 岡正朗1

所属機関: 1山口大学医学部消化器・腫瘍外科

ページ範囲:P.1235 - P.1241

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 膵癌は消化器癌のなかでも最も予後が不良な疾患であり,5年生存率はわずか4.9%ときわめて低い.しかしながらstageⅠ症例では5年生存率は膵頭部癌49.5%,膵体尾部癌51.9%と高く,いかに切除可能な状態での早期発見が重要かがわかる.

 膵癌は一般的に豊富な線維性間質を有する乏血性の腫瘍であり,局所への強い浸潤や早期の段階での遠隔転移を認めることが多い.それらの点を踏まえて他の疾患との鑑別を早急かつ的確に行う必要がある.具体的に鑑別すべき疾患としては腫瘤形成性膵炎,島細胞腫瘍,腺房細胞癌,転移性膵癌などが挙げられる.

 現在,膵癌を早期診断するために従来の腹部超音波,CT,MRCP,血管造影などの諸検査に加えて,FDG-PET,EUS-FNABなども有用な検査手段となってきている.これらを用いて多角的に膵癌と他の疾患を鑑別する必要がある.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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