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文献詳細

雑誌文献

臨床外科59巻11号

2004年10月発行

文献概要

特集 小外科・外来処置マニュアル Ⅱ.頭部・顔面・口腔・咽頭

18.味覚障害

著者: 市村恵一1

所属機関: 1自治医科大学耳鼻咽喉科

ページ範囲:P.63 - P.65

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疾患の概念と原因

 味覚障害患者は近年,明らかに増加している.味覚障害を訴える患者は加齢とともに増加する傾向があり,50~60歳台が最も多い.

 味覚受容器のある味蕾から中枢までのどの部位に障害があっても味覚異常が生じる.味覚障害を部位別に(1)伝導性,(2)感覚性,(3)神経性,(4)中枢性と大別する.伝導性障害は味物質の味蕾での接触障害により起こる.口内乾燥状態,感染症,厚い舌苔などが原因となる.感覚性障害は味細胞の異常によるもので,放射線照射,変性疾患,ウイルス感染,薬物性などが重要である.神経性障害は求心路の障害で,外傷や手術副損傷,顔面神経麻痺などによる.中枢性障害は頭蓋内腫瘍や血管障害などによるが,頻度は低い.

 味覚障害の原因の頻度は薬物性,亜鉛欠乏症,全身疾患,特発性,心因性の順に多い.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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