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文献詳細

雑誌文献

臨床外科59巻11号

2004年10月発行

文献概要

特集 小外科・外来処置マニュアル Ⅱ.頭部・顔面・口腔・咽頭

19.唾液腺炎,唾石症

著者: 加瀬康弘1

所属機関: 1埼玉医科大学耳鼻咽喉科

ページ範囲:P.66 - P.68

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疾患の概念

 主な唾液腺炎の疾患概念について簡単に述べる.

 1.急性化膿性唾液腺炎

 高齢者や衰弱した人,術後患者に多い.ほとんどが唾液の減少による口腔からの逆行性感染である.

 2.流行性耳下腺炎

 ムンプスウイルスによる.ときに顎下腺も侵される.

 3.反復性耳下腺炎

 5~6歳未満の小児に多い.耳下腺炎を反復する.病因は明らかでないが,本態は唾液腺管の狭窄などによる唾液のうっ滞に起因する末端の拡張による1).成長によって症状は消失する.

 4.シェーグレン症候群

 自己免疫性疾患であり,唾液腺を含めた全身の外分泌腺の慢性炎症をきたす(図1).40歳以上の中年女性に多い.主症状は,腺組織からの分泌量低下による口腔と眼の乾燥である.しばしば慢性関節リウマチなどの膠原病を合併する.

 5.唾石症

 唾液腺管内に生じた結石による.発生部位は圧倒的に顎下腺に多い.摂食時の痛み(唾疝痛)と唾液腺の腫脹による腫瘤が典型的な症状である.唾液のうっ滞によって,しばしば急性唾液腺炎を合併する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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