icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床外科59巻11号

2004年10月発行

文献概要

特集 小外科・外来処置マニュアル Ⅱ.頭部・顔面・口腔・咽頭

20.眼外傷,眼窩骨折

著者: 矢部比呂夫1

所属機関: 1東邦大学医学部第2眼科

ページ範囲:P.69 - P.71

文献購入ページに移動
眼外傷の緊急度

 眼科救急外来を訪れる患者のうちの大半を占めるのは外傷性疾患であるが,実際にはコンタクトレンズによる角膜上皮障害などの軽微なものがほとんどである.しかし,一部の症例は初期治療が視力予後を左右するような緊急性が高いものもあるので,疾患の緊急度に応じた対応が必要である(一部は外傷以外の疾患を含む)1)

 1.数分以内に治療が必要な疾患

 眼化学傷,網膜中心動脈閉塞症

 2.数時間以内に治療が必要疾患

 穿孔性眼外傷,眼球破裂,眼内異物,角結膜異物,眼瞼裂傷,急性閉塞隅角緑内障

 3.数日以内に治療が必要な疾患

 涙小管断裂,眼窩底骨折,裂孔原性網膜剥離

 医療高次レベルへの患者搬送の判断

 つぎの場合は,医療高次レベルの二次,三次の救急医療施設への転医・搬送を検討する必要がある.高度の眼瞼裂傷,眼球破裂,眼球あるいは眼窩内異物,化膿性眼内炎など.また,一次救急処置で創を縫合した場合でも,二次的に網膜硝子体手術が必要な場合なども検討する.搬送上の注意としては,眼球破裂がある場合には眼球保護帯を用いて眼球が圧迫されないようにする必要がある.眼瞼裂傷の場合は出血を伴うことが多いため,ガーゼで圧迫して止血する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら