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特集 小外科・外来処置マニュアル Ⅱ.頭部・顔面・口腔・咽頭
36.下顎骨骨折
著者: 野添悦郎1
所属機関: 1鹿児島大学大学院医歯学総合研究科顎顔面機能再建学講座口腔顎顔面外科学
ページ範囲:P.115 - P.118
文献購入ページに移動はじめに―疾患の特徴
下顎骨に骨折が生じると,下顎骨に付着した咀嚼筋などの張力のバランスが崩れ,骨折の生じた部位によって特徴的に骨片が偏位する.そのため,咬合の変化(噛めない,噛み合わせが変わった)が生じる.自覚的・他覚的に咬合のズレが認められれば,顎骨,特に下顎骨骨折の可能性は高い.治療上も,咬合の回復をはかることが最重要点となる.また,開閉口障害があり,外耳孔前方の顎関節部に疼痛を認める場合,顎関節部での損傷(打撲や骨折)を疑うべきである.同部損傷を伴う下顎骨骨折では,適切な処置を怠ると咬合不全に加え,運動障害(開閉口障害)をきたすことがあり,診断および治療には注意を要する.
下顎骨に骨折が生じると,下顎骨に付着した咀嚼筋などの張力のバランスが崩れ,骨折の生じた部位によって特徴的に骨片が偏位する.そのため,咬合の変化(噛めない,噛み合わせが変わった)が生じる.自覚的・他覚的に咬合のズレが認められれば,顎骨,特に下顎骨骨折の可能性は高い.治療上も,咬合の回復をはかることが最重要点となる.また,開閉口障害があり,外耳孔前方の顎関節部に疼痛を認める場合,顎関節部での損傷(打撲や骨折)を疑うべきである.同部損傷を伴う下顎骨骨折では,適切な処置を怠ると咬合不全に加え,運動障害(開閉口障害)をきたすことがあり,診断および治療には注意を要する.
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