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文献詳細

雑誌文献

臨床外科59巻11号

2004年10月発行

文献概要

特集 小外科・外来処置マニュアル Ⅲ.頸部・肩

44.鎖骨骨折

著者: 中川照彦1

所属機関: 1同愛記念病院整形外科

ページ範囲:P.142 - P.144

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疾患の概念

 鎖骨骨折は全骨折の約10%を占め,最も頻度の高い骨折である.鎖骨は緩いS字状を呈し,(1)体部(中央部・中1/3部)骨折,(2)外側端骨折,(3)内側端骨折に分類できる.体部骨折が75%と多く,外側端骨折が20%,内側端骨折は5%程度である.受傷機転としては,転倒や転落などで肩の外側を強打し,介達外力によって生じることが多い.

 体部骨折では近位骨片は胸鎖乳突筋に引かれて上方に転位し,遠位骨片は上肢の重力で下方に引かれて,さらに大胸筋により内側に転位する(図1).鎖骨骨折では多少転位していても骨癒合が得られれば問題ないが,骨片同士が大きくオーバーライディングし,鎖骨が著明に短縮すると肩幅が狭くなって,整容的にも機能的にも障害が残る.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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