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文献詳細

雑誌文献

臨床外科59巻11号

2004年10月発行

文献概要

特集 小外科・外来処置マニュアル Ⅴ.腹部・腰部

60.縫合糸膿瘍

著者: 成田和広1 鈴木直人1 草野満夫1

所属機関: 1昭和大学医学部一般・消化器外科

ページ範囲:P.196 - P.198

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疾患の概念

 縫合糸膿瘍とは,深部縫合糸を中心に生じる細菌感染である.特に腹壁では筋膜縫合に用いられた縫合糸を中心に生じて創感染となり,一般的に皮下組織や皮膚創瘢痕部に膿瘍を形成する.ときに瘻孔も形成し,排膿することもある.術後1~2週間の早期で発症することが多いが,それ以降で数か月後の晩期に発生する遅発性のものもある.異物の感染であり,原因異物の糸を除去しない限りは根治は難しく,治療の原則は感染縫合糸の除去である.皮膚創瘢痕部の難治性膿瘍,瘻孔,難治性肉芽創,炎症性肉芽腫は本症を疑う.慢性に経過すると縫合糸の周囲に炎症性肉芽腫を形成し,Schloffer腫瘍と呼ばれる有痛性腫瘤となる1)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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