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文献詳細

雑誌文献

臨床外科59巻11号

2004年10月発行

文献概要

特集 小外科・外来処置マニュアル Ⅴ.腹部・腰部

61.鼠径ヘルニア(鼠径部ヘルニア)

著者: 冲永功太1 稲葉毅1 福島亮治1

所属機関: 1帝京大学医学部外科

ページ範囲:P.200 - P.201

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疾患の概念

 ヘルニアは,臓器または組織が先天性あるいは後天性の裂孔を通じて,その本来の存在する部位から脱出する状態である.ヘルニアは,ヘルニア脱出の出口である「門」と,脱出する「内容」,およびこの内容を包む「【嚢】」から構成されている.本稿では,成人鼠径ヘルニアについて述べる.

 鼠径ヘルニアは,鼠径部にヘルニア門を有するヘルニアであり,一般に大腿ヘルニアを含めて鼠径部ヘルニアと総称される.ヘルニア門によって,(1)外鼠径ヘルニア(間接ヘルニア),(2)内鼠径ヘルニア(直接ヘルニア),(3)大腿ヘルニアに分類される.外鼠径ヘルニアは,内鼠径輪(下腹壁動脈の外側)をヘルニア門とし,内鼠径ヘルニアは,鼠径管後壁のHesselbach三角(下腹壁動脈の内側)から脱出し,大腿ヘルニアは大腿輪をヘルニア門とする(図).

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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