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文献詳細

雑誌文献

臨床外科59巻11号

2004年10月発行

文献概要

特集 小外科・外来処置マニュアル Ⅵ.直腸・肛門

66.裂肛

著者: 長谷川博俊1 西堀英樹1 石井良幸1 山内健義1 北島政樹1

所属機関: 1慶應義塾大学医学部外科

ページ範囲:P.214 - P.216

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疾患の概念

 裂肛とは,肛門上皮に発生した亀裂,びらん,潰瘍の総称である.

 裂肛の初期は単に肛門上皮の浅い裂創がみられ,その底部には縦に走る縦走筋線維の走行が認められる(図1).特徴的な症状は,排便時にトイレットペーパーにつく鮮血と,排便時およびそのあともしばらく続く疼痛である.診断は,患者を左側臥位もしくはシムス位にし,両手で臀裂を左右に拡げ,肛門部の裂創を確認することで確定する.

 裂肛が慢性化してくると,肛門上皮に深い難治性の潰瘍が形成され,潰瘍底には横走する内括約筋線維が認められるようになる.また,肛門ポリープやskin tagが形成され,肛門狭窄をきたすようになる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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