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文献詳細

雑誌文献

臨床外科59巻11号

2004年10月発行

文献概要

特集 小外科・外来処置マニュアル Ⅵ.直腸・肛門

72.直腸脱

著者: 黒水丈次1

所属機関: 1名戸ヶ谷病院消化器病センター

ページ範囲:P.230 - P.231

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疾患の概念

 直腸脱は完全直腸脱と不完全直腸脱に分けられ,単に直腸脱というときは完全直腸脱を指すのが一般である.完全直腸脱とは直腸の全層が翻転して肛門の外に脱出する病態で,性別では女性に多く,年齢別では幼児から80歳以上まで広く発症するが,高齢者に多い傾向にある.

 その成因については諸説が報告されているが,すべてを説明し得る説はない.主な成因としては,(1)ダグラス窩をヘルニア囊とする滑脱ヘルニア説,(2)上部直腸の全周性重積に続発する形態学的変化とする説,(3)骨盤底筋群および肛門括約筋の弱体化による説,(4)排便反射に関する肛門挙筋および肛門括約筋の機能失調説,がある.先天的因子に便秘や過度のいきみ,長時間の排便動作などの後天的誘因が加わって発症するものと考えられている1)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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