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文献詳細

雑誌文献

臨床外科59巻11号

2004年10月発行

文献概要

特集 小外科・外来処置マニュアル Ⅶ.尿路・性器

77.陰囊水腫

著者: 長田幸夫1

所属機関: 1宮崎大学医学部泌尿器科

ページ範囲:P.246 - P.247

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陰囊水腫の成因

 陰囊水腫とは精巣固有【鞘】膜腔に漿液が貯留する状態を示すもので,この漿液貯留が精索内に囊腫状に限局しているものは精索水腫と呼ぶ.成因別に先天性と後天性に大別される.精巣は胎生後期に腹膜しょう状突起に包まれて鼠径管内へ嵌入し,そしてこの腹膜しょう状突起は閉鎖の過程をたどる.しかし,この閉鎖は比較的遅い時期に起こり,生下時にも大多数が開存していると言われている.したがって,腹膜しょう状突起の閉鎖不全による腹腔液の貯留すなわち先天性交通性陰囊水腫は乳幼児では発生頻度も高く,また閉鎖孔が大きく開通していれば,鼠径ヘルニアの合併も当然あるわけである.

 後天性陰囊水腫は成人に多くみられ,炎症,外傷,腫瘍などに伴う症候性水腫が多くを占め,原因不明のしょう腔の漿液貯留による特発性のものもある.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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