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文献詳細

雑誌文献

臨床外科59巻11号

2004年10月発行

文献概要

特集 小外科・外来処置マニュアル Ⅶ.尿路・性器

81.精巣捻転症

著者: 岡田日佳1 松田公志1

所属機関: 1関西医科大学泌尿器科

ページ範囲:P.254 - P.256

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疾患の概念

 精巣捻転症とは精管,精巣動静脈からなる精索が捻れ,精巣循環障害をきたす急性陰囊症(急性陰囊疼痛をきたし,陰囊が腫脹する疾患の総称:精巣捻転症,精巣付属器捻転症,精巣上体炎,精巣炎,特発性陰囊浮腫,Henoch-Schoenlein紫斑病,腫瘍,リンパ管腫,血腫など)の1つである.虚血性疾患であり,迅速な診断と整復(できれば6時間以内)が必要である.

 本邦での発症頻度は男性10万人に0.56人と報告がある1).好発年齢は新生児期と学童期の2峰性で,12~18歳で全体の2/3を占める1).36歳での発症もある.患側は2:1で左側に多い.新生児期と学童期では捻転機序が異なる.新生児期ではしょう膜外捻転,学童期ではしょう膜内捻転を起こす.精巣は胎児期にしょう状突起とともに陰囊内に下降する.しょう膜外捻転とはこのしょう状突起が陰囊内に固定されるまでに精巣とともに回転する病態である.新生児期しょう膜外捻転の70%は出生前に発症していると考えられている.新生児期しょう膜外捻転は稀であり,診断時壊死状態となっていることが多い.精巣捻転症の90%はしょう膜内捻転であり,本稿では学童期にみられるしょう膜内精巣捻転の診断と治療を述べる1)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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