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特集 小外科・外来処置マニュアル Ⅷ.四肢・皮膚
90.一次性下肢静脈瘤
著者: 松本康久1 小田勝志1 笹栗志朗1
所属機関: 1高知大学医学部呼吸循環再生外科学
ページ範囲:P.278 - P.280
文献購入ページに移動下肢静脈瘤は軽症も含めると成人の約30~50%に発症するといわれ,よく見られる疾患のひとつである.主に妊娠,出産や長時間の立ち仕事が誘因となる.女性に多いが,男性にも少なからず認められるので注意が必要である.
本疾患の成因は静脈弁不全による逆流防止機構の破綻により,その末梢側の静脈が拡張し,静脈瘤を形成することである.このように表在静脈である伏在静脈の弁不全が原因により生じたものを伏在型という.その大部分は大伏在静脈由来で,小伏在静脈由来は少ない.この他に側枝型や網目状,クモの巣状といった形態的な分類がある.これらの肉眼的鑑別は比較的容易であるが,瘤形成が小さいと伏在型と側枝型の区別がつきにくい場合があり,注意が必要である.
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