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文献詳細

雑誌文献

臨床外科59巻11号

2004年10月発行

文献概要

特集 小外科・外来処置マニュアル Ⅷ.四肢・皮膚

93.テニス肘(上腕骨外上顆炎・内上顆炎)

著者: 西浦康正1

所属機関: 1筑波大学大学院人間総合科学研究科臨床医学系整形外科

ページ範囲:P.288 - P.289

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疾患の概念

 肘関節において上腕骨の外上顆・内上顆からはそれぞれ手関節・手指の回外伸筋群,回内屈筋群が起始している.上腕骨外上顆炎・内上顆炎はこれらの腱の付着部炎(enthesopathy)と考えられている.加齢的変化が関与し,多くは中年以降に発症し,若年者における発症は珍しい.テニスにおける発症との関連からテニス肘と呼称されているが,必ずしもテニスに特有の疾患ではない.テニス以外のスポーツ従事者,労働者のほか,家庭の主婦にも多く発症するきわめて一般的な疾患である.頻度的には外上顆炎が圧倒的に多く,内上顆炎は比較的稀である.

 以下,外上顆炎を中心に述べる.外上顆炎の病態はなお不明な点が多いが,難治例の手術において短橈側手根伸筋腱の付着部に変性や断裂が認められる1~3)ことと,grip動作時に手関節伸筋・総指伸筋が手関節のstabilizerとして作動することが確かめられており4),繰り返す強いgrip動作によって手関節伸筋・手指伸筋腱起始部に強い牽引力が加わって生じる変化が本症を引き起こすものと考えられる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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