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文献詳細

雑誌文献

臨床外科59巻11号

2004年10月発行

文献概要

特集 小外科・外来処置マニュアル Ⅷ.四肢・皮膚

102.ひょう疽

著者: 森秀樹1

所属機関: 1日下部病院外科

ページ範囲:P.312 - P.313

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疾患の概要

 指尖部の化膿性炎症がひよう疽で,爪周囲炎とは異なる疾患である.指尖部は刺創や切創などの外傷を受けやすく,細菌感染が起こるとその解剖学的特殊性から独特な経過をとり,治療法の選択を誤ると重篤な状態に進行することがあり,注意を要する.

 指尖部掌側は皮膚は厚く,かつ未節骨から皮膚面には縦に張る強靱な結合織が存在し,これにより脂肪組織を含む多数の小囊が形成される.その間には微細な血管網および知覚神経が密集している(図1).このため指先は知覚が鋭敏でかつ皮膚移動が少なく,つまみ動作などの細かな動作が可能となっている.

 指尖部の炎症が小囊内脂肪組織に広がると小囊内圧は上昇し,密集した知覚神経を刺激するため,他の部位の炎症と比べ疼痛が激烈となる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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