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文献詳細

雑誌文献

臨床外科59巻11号

2004年10月発行

文献概要

特集 小外科・外来処置マニュアル Ⅹ.その他

135.在宅酸素療法指導

著者: 松本強1

所属機関: 1沖縄県立中部病院呼吸器科

ページ範囲:P.398 - P.401

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はじめに

 在宅酸素療法(home oxygen therapy:HOT)は本邦では1984年の健康保険適用以来,現在約12万人の患者に実施されていると推計される(米国では100万人超).本法の医学的根拠は1980年代の英米での2研究1,2)により,低酸素血症(PaO2≦55mmHg)をきたした慢性閉塞性肺疾患(COPD)患者の生存期間を延長したことに始まる.その後,様々な疾患による慢性呼吸不全症例に広く臨床応用されているが,有用性のエビデンスは必ずしもすべて確立しているわけではない.最近の知見では安静時低酸素血症がない(PaO2>55 torr)患者3)や,労作時4),睡眠時5)のみの低酸素血症を示す患者への長期の生命予後を改善する証拠は今のところ乏しい.よって,在宅酸素療法の実施にあたってはその意義と限界を十分念頭においた適応患者の選択が必要となる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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