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特集 術中の出血コントロールと止血のノウハウ
術前検査の選択とその読み
著者: 小山高敏1
所属機関: 1東京医科歯科大学大学院保健衛生学研究科先端血液検査学
ページ範囲:P.1389 - P.1394
文献購入ページに移動 要旨:出血傾向の術前の正確な診断は,手術の成功と術後の適切な管理のために不可欠である.
出血傾向は,血管壁,血小板,凝固・線溶因子の異常によって引き起こされる.出血傾向の原因の正確な診断には,血小板・凝固・線溶系の検査,出血時間といった止血検査の成績が不可欠であるが,既往歴に出血傾向がなく手術ではじめて止血困難に遭遇して出血性素因が見出される場合も多い.現行の止血検査で異常がみつからない場合もある.診断に重要なのは,家族歴を含む病歴の注意深い聴取と身体所見の正確な把握であり,検査はそれを確定するための手段である.また,検査は選択的に実施して診断と治療のために利用すべきである.出血性素因の原因を鑑別して手術に臨み,血小板輸血や凍結血漿,凝固因子製剤,抗線溶薬の使用を適切に行うことがきわめて重要である.
出血傾向は,血管壁,血小板,凝固・線溶因子の異常によって引き起こされる.出血傾向の原因の正確な診断には,血小板・凝固・線溶系の検査,出血時間といった止血検査の成績が不可欠であるが,既往歴に出血傾向がなく手術ではじめて止血困難に遭遇して出血性素因が見出される場合も多い.現行の止血検査で異常がみつからない場合もある.診断に重要なのは,家族歴を含む病歴の注意深い聴取と身体所見の正確な把握であり,検査はそれを確定するための手段である.また,検査は選択的に実施して診断と治療のために利用すべきである.出血性素因の原因を鑑別して手術に臨み,血小板輸血や凍結血漿,凝固因子製剤,抗線溶薬の使用を適切に行うことがきわめて重要である.
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