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文献詳細

雑誌文献

臨床外科59巻13号

2004年12月発行

文献概要

特集 直腸癌に対する手術のコツ

進行直腸癌に対する腹腔鏡下低位前方切除術

著者: 奥田準二1 山本哲久1 田中慶太朗1 川崎浩資1 谷川允彦1

所属機関: 1大阪医科大学一般・消化器外科

ページ範囲:P.1535 - P.1544

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 要旨:腹腔鏡下手術には近接視や拡大視効果により狭い骨盤腔内でもきわめて繊細な観察が可能で,チーム全員がその良好な術野を得られる大きな利点がある.適切な器具と的確な手技を用いれば進行直腸癌に対しても腹腔鏡下手術の利点を生かしつつ,自律神経完全温存の腹腔鏡下低位前方切除術を適切に行える.しかし,進行直腸癌に対する腹腔鏡下低位前方切除術では病変部への直接操作を避けた直腸のはく離・授動,適切な切離面とsurgicalmargin(AW)を確保した肛門側腸管切離に特に注意する必要がある.不用意な合併症や再発を予防し,その有用性を最大限に引き出すためには段階的な適応の決定,周到な術前処置,適切な器具と的確な手術手技に加えて,さらなる工夫と器械の改良・開発を続けていく必要がある.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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