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手術手技
デンマークの脳死肝移植
著者: 俵藤正信1 石橋敏光1 安田是和1 永井秀雄1 山本宏2 Peter Noergaard3
所属機関: 1自治医科大学消化器一般外科 2東埼玉病院外科 3
ページ範囲:P.187 - P.191
文献購入ページに移動日本でも脳死と臓器の移植に関する法律が成立して以来脳死肝移植が開始されたが,施行後5年以上を経過した現在その数は20数例に過ぎず1,2),日本人外科医が短期間に脳死肝移植手術を経験することは困難である.当科とデンマークの肝移植施設Rigshospitaletは肝胆膵手術・肝移植において留学生が直接手術に参加する相互交流を行っており,1年間ずつ留学した2名の日本人外科医が70例の脳死肝移植手術に直接参加する機会を得た.そのなかで日本では経験しがたい複雑な症例,難症例にも遭遇した.
脳死肝移植手術の手術時間を規定するのは主に肝摘出術であり,その手技には多くのピットフォールが存在する.またドナー肝の阻血時間も考慮すると,迅速かつ的確な肝摘出が移植手術の成否を左右すると言っても過言ではない.デンマークでは肝摘出困難例に対し,肝授動前に静脈バイパスを先行させるなどして効率的に肝摘出を行っていた.
今回はデンマークの脳死全肝移植,特にその肝摘出手技を中心に紹介する.
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