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特集 肝細胞癌治療の最前線
肝癌に対するcryoablation(凍結融解壊死治療)
著者: 若林剛1 田邊稔1 上田政和1 島津元秀1 河地茂行1 北島政樹1
所属機関: 1慶應義塾大学医学部一般・消化器外科
ページ範囲:P.279 - P.287
文献購入ページに移動当教室では熱凝固治療の欠点を補う治療として,近年開発された米国Endocare社のアルゴンガス凍結治療装置を2002年1月に導入し,2003年8月末までに肝細胞癌82例,転移性肝癌18例の全100例に使用した.このうち59%の症例がいわゆるablationの適応といわれる「腫瘍径3cm,腫瘍個数3個以内」の基準をこえていた.この装置では,冷却開始前に8本まで冷却針を病巣部に挿入し同時または個別に冷却が可能なため,解剖学的に複雑な治療域を確保しやすく,大型腫瘍も凍結可能である.個別化・低侵襲肝癌手術は肝癌の低侵襲かつ局所根治的治療として有効であり,アルゴンガス凍結治療は重要な位置を占めた.
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