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文献詳細

雑誌文献

臨床外科59巻3号

2004年03月発行

文献概要

私の工夫 手術・処置・手順

肝表面の肝腫瘍切除のための高周波円形電気メスの開発

著者: 宮澤光男1 鳥井孝宏1 岡田克也1 小山勇1

所属機関: 1埼玉医科大学消化器一般外科

ページ範囲:P.336 - P.337

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 肝表面に存在し肝の辺縁には存在しない肝腫瘍の肝部分切除には定型的な方法がない.その理由としては,腫瘍が肝表面に存在するため簡単に切除可能と判断されると考えられるが,腫瘍の大きさが3cm以上となると実際には困難な症例がある.一般的には,一定のサージカルマージンをとり,図1のように切除ラインに糸を掛け,牽引しながら種々の肝切除器具(超音波電気メスなど)で辺縁から徐々に中枢方向に切除を進めることになる.

 しかし,とくに,基礎疾患として肝硬変がある場合は,切除肝の糸による牽引が十分とはならないため,腫瘍によって中枢方向が直視できず,次のような問題が生じてくる.①肝の中枢方向のサージカルマージンが不確実になりやすい.②腫瘍の栄養血管が直視できず,切除時に思わぬ出血を招く.③腫瘍が障害となり,止血が困難である.このような問題点を解決し,サージカルマージンを確保し,低侵襲で短時間に確実に肝切除を可能とする円形の高周波電気メスを開発したので紹介する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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