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文献詳細

雑誌文献

臨床外科59巻4号

2004年04月発行

特集 甲状腺癌治療の最適化を目指して

散発性甲状腺髄様癌に対する診断と治療―:遺伝性との対比

著者: 宮澤幸正1 坂田治人1 川島太一1 落合武徳1

所属機関: 1千葉大学大学院医学研究院先端応用外科

ページ範囲:P.413 - P.417

文献概要

 要旨:神経稜に起源を有する傍濾胞細胞(C細胞)由来の甲状腺髄様癌は全甲状腺癌中1.3%にすぎない稀な癌である.臨床症状は頸部腫瘤が最も多いが,遺伝性では随伴病変による高血圧,頭痛,動悸といった症状を認める.穿刺吸引細胞診で髄様癌の診断となるものは6割程度だが,良・悪性の鑑別診断には有用である.血清カルシトニン・CEA値測定は100%とは言えないものの,甲状腺髄様癌の診断に非常に有用な検査である.遺伝性髄様癌は全摘術が必要であるが,散発性髄様癌は癌の甲状腺内の広がりに応じて葉峡切除から全摘までの範囲を選択できる.髄様癌の術後再発は頸部リンパ節,残存甲状腺,肝臓に多く見られた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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