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文献詳細

雑誌文献

臨床外科59巻6号

2004年06月発行

文献概要

外科の常識・非常識 人に聞けない素朴な疑問 3

胃腸手術後のドレーンは必要か

著者: 松股孝1

所属機関: 1中津市民病院外科

ページ範囲:P.722 - P.723

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【ドレナージの意義】

 手術局所ではサイトカインの上昇が術後72時間続くため,肝切除術などでは肝切除断端などで産生されたサイトカインを積極的に排泄させる意義はあるかもしれないが,消化管縫合不全の防止に関してはさまざまな点でネガティブな報告が多い.骨盤腔内ドレーンさえ留置する意義はないという1,2).ドレナージによって貴重な体液が喪失するのは,サイトカインの排泄効果を上回る悪影響があるのかもしれない.

 21世紀になり,胃腸手術後のドレーンは必要か否かの臨床研究は一流雑誌から姿を消し,膵切除後のドレーンが話題となっている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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