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文献詳細

雑誌文献

臨床外科59巻7号

2004年07月発行

外科の常識・非常識 人に聞けない素朴な疑問 4

絶食は排ガスがあるまで必要か

著者: 松股孝1

所属機関: 1中津市民病院・外科

ページ範囲:P.904 - P.905

文献概要

【絶食の効用】

 「断食はメスを使わない外科医」ともいわれる.絶食すると,熱ショック蛋白が誘導され細胞がストレスに強くなる.急性胆囊炎や急性虫垂炎も絶食療法によって急場をしのぐことができる.「食べすぎによる病気は絶食によって治る」はヒポクラテスの箴言である.しかし,手術侵襲後の絶食は危険である.

【早期経口摂取のメリット】

 消化管は単なる消化と吸収の場ではなく,手術直後で消化管の運動機能が衰えているときでも,グルタミンを基質とした活発な蛋白代謝が営まれている.高カロリー輸液を行っても,2日もすれば消化管粘膜の透過性が亢進してくる.排ガスが起こる前の術後40時間以内に開始する経口摂取を早期経口摂取といっているが,消化管粘膜の萎縮を防止するためにも必要である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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