文献詳細
特集 肛門疾患診断・治療の実際
文献概要
はじめに
従来,痔核の成因は肛門部の静脈瘤や血管過形成であるとする考えが主流であったが,最近では肛門部のcushion組織の滑脱であるとする考え方が広く受け入れられるようになってきた1).Cushion組織はTreitz靱帯,動静脈,弾性線維などを含む元来正常な構造物であり,その「滑脱」も生理的な程度との境界は必ずしも明瞭ではない.他覚的所見と自覚症状が必ずしも一致せず,また,生活の質を左右することはあっても,生命を脅かすものではないというのが痔核の特徴といえよう.近年,治療方法も多彩になってきており,患者の症状やライフスタイルに合わせた治療法の選択が求められている.
従来,痔核の成因は肛門部の静脈瘤や血管過形成であるとする考えが主流であったが,最近では肛門部のcushion組織の滑脱であるとする考え方が広く受け入れられるようになってきた1).Cushion組織はTreitz靱帯,動静脈,弾性線維などを含む元来正常な構造物であり,その「滑脱」も生理的な程度との境界は必ずしも明瞭ではない.他覚的所見と自覚症状が必ずしも一致せず,また,生活の質を左右することはあっても,生命を脅かすものではないというのが痔核の特徴といえよう.近年,治療方法も多彩になってきており,患者の症状やライフスタイルに合わせた治療法の選択が求められている.
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