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文献詳細

雑誌文献

臨床外科59巻8号

2004年08月発行

文献概要

特集 肛門疾患診断・治療の実際

直腸肛門周囲膿瘍の診断・治療

著者: 日高久光1

所属機関: 1日高大腸肛門クリニック

ページ範囲:P.985 - P.990

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 要旨:直腸肛門周囲膿瘍の大部分は肛門腺の感染によるものである.臨床経過は急速かつ進行性のことが多く,即座の診断,治療が求められる.診断は問診と直腸肛門指診が基本であるが,広範囲かつ深部の膿瘍では超音波検査やMRI,CTによる画像診断を併用すると詳細な診断が可能である.治療は時機を逸せずに適切で十分な切開排膿を行うことであるが,切開の際不用意に括約筋を損傷したり,かえって膿瘍を広げることのないように注意が必要である.膿瘍期における一期的根治術についてはその時の状況によるが切開のみで長期におさまる例も多く,とくに深部膿瘍に対する一期的根治術は肛門機能保全の意味からも避けるべきである.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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