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特集 乳癌初回の診療:ガイドラインと主治医の裁量
術前診断プロセス―標準化とバリアンス
著者: 中村清吾
所属機関:
ページ範囲:P.1103 - P.1107
文献購入ページに移動 要旨:わが国でも,質の高いエビデンスをもとに専門家が集まり,一定のコンセンサスを経てガイドラインを作成するという道筋ができてきた.また,ガイドラインをもとにクリニカルパスが作成されている場合は,個々の診療行為ごとにバリアンスを収集し解析することが可能である.この結果は,つぎのガイドライン改定や,新たな臨床試験をデザインするうえで大いに参考になるであろう.大規模臨床試験が次々と計画され,数多くの学会で日々新たなエビデンスが生まれ出る今日,これらをリアルタイムにガイドライン上に反映し,一般臨床家に広く浸透させていくためには,IT(information technology)を駆使した専任組織とその活動を支える継続的な財源の確保が必要である.薬剤に関しては基本的な枠組みが構築されているが,診断や手術に関しても同様に早急な取り組みが必要と思われる.
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