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特集 乳癌初回の診療:ガイドラインと主治医の裁量
ネオアジュバント療法―患者のメリット・デメリット
著者: 渡辺亨1
所属機関: 1国際医療福祉大学臨床医学研究センター腫瘍内科
ページ範囲:P.1109 - P.1115
文献購入ページに移動 要旨:乳癌は,局所疾患であるとの考え方から全身疾患であるとの考え方にシフトしてきた.その背景には,過去100年間の臨床経験と40年の臨床試験による検証がある.全身疾患であるとの認識に基づき,局所治療よりも全身治療が重視されるようになった.しかし,症例によっては局所疾患にとどまっている場合もあり,症例ごとに局所治療と全身治療のいずれを重視すべきかを見極める努力が必要である.診断直後の初期治療として,抗癌剤やホルモン剤などの全身治療および手術や放射線照射などの局所治療から,どれを,どの順番で採用するか,という全体構成を行い,全身疾患と考えられる症例には最初に全身治療である抗癌剤治療を行うことで,微小転移の撲滅と原発病巣縮小に伴う質の高い乳房温存療法が可能となった.
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