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文献詳細

雑誌文献

臨床外科59巻9号

2004年09月発行

文献概要

特集 乳癌初回の診療:ガイドラインと主治医の裁量

ネオアジュバント療法―薬剤選択とその根拠

著者: 佐伯俊昭1 高嶋成光1

所属機関: 1独立行政法人国立病院機構四国がんセンター臨床研究部・外科

ページ範囲:P.1117 - P.1122

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 要旨:術前補助療法の臨床試験の目的は乳癌補助薬物療法のベストレジメンの開発と考えられ,新しいレジメンの初回治療における奏効率と生存期間の改善および安全性を同時に検討することが可能である.術前補助療法の利点として明らかなのは,(1)生命予後に関連する全身治療の早期開始が可能なこと,(2)原発巣摘出前に微小転移巣の治療を行えること,(3)腫瘍組織内の栄養が保持された状態で化学療法が行えること,(4)薬剤感受性が確認できること,(5)原発巣および腋窩リンパ節転移のdown stagingによって縮小手術が可能であること,(6)乳房温存率を向上させられること,(7)病理学的CR症例の予後判定が可能であること,などである.高嶋班の「乳がん診療ガイドライン」では,術前補助化学療法に関するリサーチクエスチョンが3項目取り上げられている.ガイドラインはエビデンスによって作成されてはいるが,次々と公表される新しい臨床試験の結果には対応できていない.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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