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文献詳細

雑誌文献

臨床外科59巻9号

2004年09月発行

特集 乳癌初回の診療:ガイドラインと主治医の裁量

腋窩リンパ節転移陽性例の至適郭清範囲

著者: 稲治英生1 柄川千代美1 菰池佳史1 元村和由1

所属機関: 1大阪府立成人病センター乳腺・内分泌外科

ページ範囲:P.1141 - P.1144

文献概要

 要旨:腋窩リンパ節転移陽性乳癌に対する至適郭清範囲として,乳がん診療ガイドライン(厚生労働省高嶋班報告書)では「局所制御のために腋窩リンパ節(レベルⅠ,Ⅱ)と鎖骨下リンパ節(レベルⅢ)までの郭清を行うことが望ましい(グレードB)」とされている.ガイドラインとしては適切な表現であるが,レベルⅢの郭清となるとそのイメージする内容は医師間でも微妙に異なる.また,乳房温存手術では技術的にレベルⅢの完全郭清が可能かどうか自体も疑問である.臨床的転移陽性例はまだしも,センチネルリンパ節生検での微小転移例なども,どこまでの郭清が至適範囲であるかは今後の課題である.つまり,リンパ節転移陽性乳癌の郭清範囲としてレベルⅡまでは必須としても,レベルⅢ郭清については臨床病期や術中所見に応じて主治医の裁量によって臨機応変に対応しているのが実情であろう.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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