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特集 乳癌初回の診療:ガイドラインと主治医の裁量
乳癌初回治療における放射線治療―ガイドラインと主治医の裁量
著者: 光森通英1
所属機関: 1京都大学大学院医学研究科腫瘍放射線科学
ページ範囲:P.1159 - P.1163
文献購入ページに移動 要旨:乳癌診療ガイドラインの整備は,わが国の乳癌診療レベルの底上げをもたらすことが期待される反面,ガイドラインの科学的根拠とされる研究が行われた状況を考慮せずに結論だけを取り上げて盲従すると,思わぬ落とし穴に陥ることになりかねない.たとえば,乳房温存療法におけるブースト照射の必要度は切除範囲や病理診断の精度・断端陽性の判定基準によって変化するし,乳房切除術術後照射における胸壁照射の必要性については,放射線治療が生存率に寄与したとされる対象群に匹敵する局所再発率を持つサブグループをわが国で独自に定義する必要がある.科学的根拠とされる研究から,自施設の治療体系のなかに適用が可能なエッセンスを抜き出して応用する過程に専門医の裁量が活かされるべきである.
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