臨床外科59巻9号

2004年09月発行

目で見る外科標準術式・51

低位筋間痔瘻に対する切開開放術式

著者： 東光邦¹ 草間香¹

所属機関： ¹東肛門科胃腸科クリニック

ページ範囲：P.1183 - P.1190

文献概要

はじめに

　低位筋間痔瘻は日常最も多く遭遇する痔瘻である．瘻管の走行部位によっては肛門括約筋の機能を損なわないように括約筋温存術式（瘻管くりぬき術など）が選択されることがあるが，後方の痔瘻では根治性を考慮し，通常切開開放術式が行われる．低位筋間痔瘻のほとんどの症例ではデイサージェリーで手術可能であり，当院では仙骨硬膜外麻酔下に手術を行っている^1）．当院での手順に沿って，低位筋間痔瘻の一般的な術式である切開開放術式の手技について述べる．