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文献詳細

雑誌文献

臨床外科6巻10号

1951年10月発行

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手術侵襲と17ケトステロイド

著者: 澁澤喜守雄1 斎藤忠1 稻生綱政1

所属機関: 1東京大學醫學部福田外料教室

ページ範囲:P.454 - P.461

文献概要

1
 17ケトステロイド(17KS)という言葉はわれわれ外科臨床にも親しいものになつてきているが,手術侵襲におけるその意味はいまだ明かにされてはいない.こゝでは,17KSが副腎皮質分泌のandrogenおよび男性ではテストステロンの終末代謝物であり,男性では正常状態で17KSの2/3が副腎皮質androgenから由来することなどは,もういう必要がないであろう.17KSは副腎皮質機能をうかがうひとつの示標となりうるが,その價値あるいは信頼性は一般疾患についてはMason1),三宅2)3)などのくわしい綜説に示されている.また測定法に問題があつて,Zimmermann反應による方法(Callow方式4)とHoltroff方式5)),SbCl3反應による方法(Pin—cus)6)およびPolarographによる方法(Wolfe)7)などが考えられ,それぞれ一長一短の批判をまぬがれない.一般臨床ではZimmermann反應による方法がひろくとられる.われわれは昭和23年7月ごろより,そのうちCallow原法および,その変改のDrekter法8)に從つて測定し,外科侵襲における副腎皮質機能の一示標としようとこゝろみ,数回にわたつて報告したが9)10)11),すでに測定回数1000回を超え,幾分の自信をうるにいたつた.
 Callow法はKOH溶液が不安定であり,抽出が充分でない.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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