icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床外科6巻10号

1951年10月発行

--------------------

ランブリア症の1例

著者: 竹岡英二1

所属機関: 1廣島醫科大學上村外科

ページ範囲:P.482 - P.483

文献概要

第1章 緒言
 1859年LamblはPragに於て子供の粘液下痢便中に一種の弁毛虫を檢出し,之をCercomonas intestinalisと命名した.其の後研究者により種々名称の変遷はあつたが,今日一般には之が発見者の名を取りLamblia intestinalisと称せられている.然し実際の発見は既に1681年Leewenhockによつてなされておる.動物実驗を行い之が傳染系路を明にしたのはGrassi(1879)で之の人体に対する病源性を確めたのはGalli-Valeriaである.本邦に於ては昭和2年傳研の小野氏が東京在住32歳♀で小腸炎を主症とし赤痢様大腸炎の症状で高等の栄養障碍貧血を呈せる患者に本虫を認めランブリア腸炎として報告したのが最初で,其の後現在までには20数例の報告がある.本症例の斯くの如く割合に少いのは,其の浸淫度が少いからではなくて,本虫の存在が一般に忘れられておる事,本虫による症状が特異な点が少い爲によるものと思考される.然し諸家の報告例に見る様に,其の寄生部位寄生類によつては重篤の症状を起し,或は胃腸障碍を増惡し,域は其の治癒を難澁たらしめる事は疑わない所であつて,偶々私も最近胆嚢膿瘍患者の胆汁中に本虫を発見したので,茲に報告し諸彦の御叱正を仰がんとするものである.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら