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文献詳細

雑誌文献

臨床外科6巻2号

1951年02月発行

移植・成形・2

Os Germinativum(胚芽骨)移植のその後の檢討

著者: 光安萬夫1

所属機関: 1九州大學醫學部整形外科學教室

ページ範囲:P.58 - P.60

文献概要

 多数の研究者によつて移植骨片の運命が考究されている.その結果は大体において移植骨片は全く壞死におち入り,それ自身としては移植床の骨膜骨髄よりおこる骨新生の誘導をなすというBarthの古い学説が,Baschkirzew-Petrow等によつて,この移植床よりの骨新生は移植床における結合織よりの化生によると説かれ,この学説が有力視されて来た.しかし移植骨片中の骨膜,Havers小管内組織の超生を主張する富田—Axhausen説も否定し難い所であつで,その移植の條件という事が,問題となるものであろう.從つてBarth等の骨移植による謂わば受動的の骨新生に,もし富田—Axhausen等の説く移植骨片よりの能動的の骨新生が可能ともなれば,殊に後者の能動的骨新生が活溌に起れば,骨移植の主要なる目的たる骨新生は著明に増加されその目的の達成も一層的確迅速になるものと考えられる.こゝにこの希望が達成されるに必要な條件があるとすればそれは何であろうか.今外胚葉に由来する表皮移植の場合を考えてみると,この場合移植後超生して増殖して行くものは,その分化度の低い原始的なるstratum germinativum(芽層)の細胞である.故に中胚葉に由来する骨組織に於ても亦分化度の低い原始的なる細胞がもし移植源として多量に存する場合には,これに近い結果が得られるであろうという類推を持ち得るであろうと考えた.これが前に述べた條件となるものと云える.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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