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文献詳細

雑誌文献

臨床外科6巻2号

1951年02月発行

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義足を使用しつゝある下腿切断者の断端の骨変化

著者: 糟谷淸一郞1 金井豊正1

所属機関: 1國立相模原病院整形外科

ページ範囲:P.73 - P.75

文献概要

緒 言
 四肢を切断するや,その断端の末端附近に起る変化は,先づ化骨の新生である.この化骨は切断端の状況や手術の方法により,又その後の経過により,量と形と場所を異にするのは勿論である.殆んど認められぬこともあれば,又時には巨大なものになることもある.この化骨反應はやがて靜止し,その後の断端の骨部を支配する変化は,靜かに進行する骨萎縮である.かくして骨皮質は幅狹く,且つ淡くなり,且つその輪廓は次第に朦朧となり,又骨海綿質は粗となる.
 以上はたゞ四肢を切断したまゝで何らの処置も加えない場合の断端の骨部の運命であるが,これに義足を裝着して歩行を開始した場合,これらの骨が再び如何なる変化を示すかは興味ある問題である.しかして義足には,その体重支持の形式よりみて二つの種類がある.即ち,下腿義足について言えば,その一つは脛骨内髁の下方及び腓骨小頭の外下部附近にて主として体重を支持し,断端末は義足の断端鞘の中に下垂して遊んでおり,直接体重の支持には関與しないものであり,他の一つは断端末にて直接体重を支持するものである.かくして断端の骨変化も此の二つの種類の義足に分けて研究することゝした.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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