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文献詳細

雑誌文献

臨床外科6巻2号

1951年02月発行

外科と生化学

その1

著者: 吉川春壽1

所属機関: 1東京大学生化学教室

ページ範囲:P.91 - P.91

文献概要

 戰爭前までは生化学は外科にとつては大して重要な基礎学ではなく,生化学の詳しい事は内科の人には必要であるけれども,外科の人は知らなくてもすむような有樣であつた.ところが,最近にいたつて,外科領域で生化学に関する関心が急に高まつて,最近の外科学会総会の演題を見ても,生化学に関係のあるものが多数出されているし,外科の研究室に籍を置く若い人達が私の教室にもやつて来て仕事をしたりするようになつて来た.
 これは一つには生化学を重く視るアメリカの医学が戰後の日本に大きく影響する状態になつたためもあろうが,アメリカにおいても,外科に生化学の知識が大きく使われるようになつたのは今度の戰爭がはじまる頃からであるらしい.戰傷とその治癒とが栄養によつて大きく左右されることや,輪血,輪液の問題が,このような気運をうながしたのだと思う.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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