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文献詳細

雑誌文献

臨床外科6巻4号

1951年04月発行

文献概要

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脊髄硬膜外注射療法—特に脊髄後根への刺戟作用に就て

著者: 河村謙二1 東平介1

所属機関: 1京都府立醫科大學横田外科教室

ページ範囲:P.153 - P.156

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 脊髄硬膜外注射法は,麻醉珠としては硬膜外麻醉としてノボカインの注射が行われ,療法としては,カテラン注射(Cathelin.1907)として仙骨裂孔からの食塩水注射法が,既に古くから用いられている.殊に麻醉法としてはPages(1920),Dogliotti(1933),Harger(1941),Läwen(1943)等によりhohe epidurale Anästhesieとして唱導せられ,稍々大量のノボカイン液を任意脊髄々節高位に注入し断区的に支配下の麻醉を施し得るに至つた.然し,この硬膜外麻醉法を普通の腰髄麻醉と比較すると,血圧の下降を来すことが少いと云うことの他は何等特別な利点がなく簡便,確実な腰髄麻醉によつて手術の目的に應じて略々満足すべき麻醉を施す事が出来るので,現今多くの人は專ら腰髄麻醉を用いる結果硬膜外麻醉法は之を用いる人が尠い.
 然し硬膜外注射法はその後,神経痛,殊に坐骨神経痛,腰痛に対して食塩水,ノボカイン等の注入により良好な治療成績を挙げ得る事が瞭にされた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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