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文献詳細

雑誌文献

臨床外科6巻5号

1951年05月発行

文献概要

最近の外国外科

胸腺剔出術,他

著者:

所属機関:

ページ範囲:P.243 - P.244

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 著者たちは重症筋無力症の3例即ち26歳の女子,24歳の女子及び18歳の男女を胸腺剔出によつて治療した.著者たちは手術前にNeostigmin及びAtropinで治療することの重要性を強調している.胸腺剔出のため,胸腺に到達する経路としては胸骨を第二肋間の高さで横に骨を切断して入つている.これによつて胸腺の露出が十分出来且つ胸膜腔を開放するのを避け得られる.手術操作としては困難ではない.その予後も良好である.前記2名の女子は術後,それぞれ6ヵ月及び3ヵ月追求調査されたが,両人共に一般状態は佳良であつた.体重も第一の患者は15キログラム,第二の患者は6キログラム増加した.第三の男子患者は最近手術されたばかりであつた.しかし手術後10日目に病状が既に可成改善していた.
 要するに,或る症例では手術直後から満足すべき結果が得られたが,他の症例では術後相当長い期間後,しかもその期間中にNeostigminの投與を継続し且つ量を漸次減量しながら,やつと軽快する場合もあることを認めた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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