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轉移性甲状腺腫について
著者: 斎藤純夫1
所属機関: 1東京警察病院外科
ページ範囲:P.313 - P.317
文献購入ページに移動 甲状腺の上皮性腫瘍中には,局所的にも組織学的にも,何等惡性腫瘍の所見がなく,しかも血行性に甲状腺の組織像を呈する轉移を殊に骨に形成するものがある.その本態に関しては,Cohnheim1)以来種々論議されて,Metastasierende Kolloidstruma(Langhans)2)3),Strumacolloides maligna(TH. Kocher)4),maligne Adenom,Struma colloides maligna(Aschoff)5),metastasierende Gallert-kröpfe等の名称があたえられている.我國に於ては古く住田氏29)(佐藤外科),金森氏21)の報告があり今日迄17例の症例があるが,最近我々は,前額骨,頭頂骨,肋骨,及び腰椎に轉移を惹起した1例を経驗したのでここに報告し,文献的考察をなす次第である.
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