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文献詳細

雑誌文献

臨床外科6巻8号

1951年08月発行

文献概要

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精系捻轉症の2例

著者: 山本幹一1 河田富政1

所属機関: 1埼玉縣農業會態谷病院

ページ範囲:P.368 - P.369

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 最近吾々は当地にて,続いて2例の精系捻轉症を経驗したのでこゝに御報告する次第なり.本症は比較的稀な疾患とされ,本邦では30数例の報告例あり.
 本症の発生には先天的畸形即ち陰嚢靱帶の欠如,鞘膜腔の開存,睾丸の固定欠如,停留睾丸等が必要條件とせられ,吾々の2例共に鞘膜腔は上部にまで及び,且つ広く,固定を欠き,睾丸の下降不充分であつた.これに外力・激動・力仕事等の誘因が加わり成立するものとされている.この誘因と発病との時間的関係について直後発病する場合と,相当時間経過後(吾々の第1例は1〜2時間後,第2例は約2日後)発生する場合とあり.症状としては一般症状と局所症状を呈し,一般に一般症状に始まり局所症状に終る.即ち始めは下腹部痛,或は嘔吐を起し,激しき時は虚脱に陷り,その他惡心・眩暈・腹部膨満・瓦斯排出停止・中等度の発熱等なり.局所症状としては睾丸は腫大し,圧痛著明挙上せられ,陰嚢の発赤腫脹等あり,即ち先天的に睾丸の位置異常があつたものに激動等後に下腹痛あり,且つ睾丸に圧痛ある場合には本症を疑うべきであり,最も誤診され易いのは鼡蹊ヘルニア嵌頓及急牲副睾丸炎等なり.已に壞死に陥つたものは剔出を行い,尚生存可能のものは整復後睾丸を総鞘膜及陰嚢に縫合固定するを可とす.次に症例を示せば,

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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