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文献詳細

雑誌文献

臨床外科6巻8号

1951年08月発行

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丹毒のHeilwirkungに就て

著者: 杉山精一1

所属機関: 1愛媛縣新居濱市別子病院

ページ範囲:P.373 - P.374

文献概要

1.緒言
 丹毒の医治作用に就ては余程古くから知られておりMüllederの先生であるEiselsbergの講義の中に前世紀の初め既に多くの病院で丹毒に罹患の後同時に存在しておつた癌例えば乳癌等が非常に好くなると云う観察が確められ,此の様な疾患を有する患者は丹毒患者が寝ておつた病床に寝かされたと云うことである.1866年Bonner ChirurgのBuschが初めて肉腫の際に丹毒の医治作用を観察しその後屡々確証された.然し残念ながら丹毒の此の作用は極めて不確実であり又屡々一過性である.且つ有効な結果より不成功の方が遙かに多い.又丹毒の人工的の接種はその他に患に重大なる危險をもたらすから手術不可能の症例又は助かる見込の無い様な症例に許さる可きものである.医治作用は一般に癌よりも肉腫に効果があると言つている.
 Coleyは長い間此の問題に就て理論的並に実驗的の研究を爲し,接種後6例の死亡例を報告している.総て手術不可能の症例を取扱い現在では連鎖状球菌そのものを接種しないでErysipelokokkenとProdigiosus(奇異桿菌)の混合トキシンを注射している.168例の手術不可能なる淋巴肉腫の中で26例の治癒を観ている.手術せる腫瘍の後療法及び照射によつて軽快せるホヂキン症例にColeyはParke,Davis会社が発賣せるトキシンを系統的に應用して予後を著しく良好にする事が出来たと称している.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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