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最近の外国外科
脳血管撮影法の偶発的合併症に就て,他
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ページ範囲:P.391 - P.393
文献購入ページに移動 著者たちは脳血管撮影法に危險な偶発的合併症の起り得る可能性に関して注意を喚起している.この研究報告は1946〜1950年間に著者たちが108名の患者にdiodrast(iodopyratの35%液)を用いで頸動脈から147回注射撮影した経驗に基いているのである.それ等の患者の種類は,脳腫瘍30例,動脈瘤17例,蜘蛛膜下出血19例,脳血管血栓症12例,脳変性疾患7例,硬脳膜下血腫4例,診断不定19例であつた.この108例中の14例に偶発的合併症が発生した.著者たちはこの檢査後の晩発的に発生したものも合算すると,前記の偶発的合併症の発生率が從来の文献に示めされたものよりも遙に大であるのを感じている.著者の1人は1940年から1946年迄に動脈瘤の疑ある患者にのみ限定して,22例に脳血管撮影を施したが,その場合には何等の偶発症も経驗しなかつた.しかし第二次世界大戰以来患者の年齢,状態等を余り顧慮せず,凡ての脳疾患診断に應用したところ約10%に偶発症が起つた.即ち108例及び147回の血管撮影法に於て14回の偶発症が見られた.その内容は,死亡3名,永続的半身不随4名,一渦性半身不随2名,痙攣2名,頸動脈血栓形成1名,頸部交感神経損傷1名,ヨード造影剤に対する皮膚過敏症1名であつた.
この偶発的合併症の原因が血管撮影法を行つた際の技術的熟練の程度,造影剤の量,術式,其他投藥した藥剤などには余り重要な関係を持つておらない様であつた.
この偶発的合併症の原因が血管撮影法を行つた際の技術的熟練の程度,造影剤の量,術式,其他投藥した藥剤などには余り重要な関係を持つておらない様であつた.
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