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外科と病理
原発性十二指腸癌の1剖檢例
著者: 黑羽武1 古川弘平1 斎藤信一2
所属機関: 1東北大學醫學部病理學 2東北大學醫學部武藤外科
ページ範囲:P.435 - P.436
文献購入ページに移動膵臟の全摘出又は亞全切除は抜術上極めて困難視されていたが,Whipple,Brunschwig,Trimble,Priestley,Stevens,Dixon,Miller氏等の大胆な試みに依て膵臟頭部癌や十二指腸癌の根治手術が有望となり,吾國でも近時漸くこの方面に関心が寄せられている.臨床的に原発性十二指腸癌は最も診断の困難な疾病の一つに数えられるが,Egerは其の理由として固有症状の無いことと,頻度に乏しいことを挙げ,特に後者を重要視した.然し剖檢資料から見れば,さほど珍奇とするには足りないし長與,阿部哲),吾國の症例報告も既に50例の多きに達している.問題は症例の選択と早期発見の如何にあるのであつて,米國の成果をただ表面的にのみ観察しないことが望ましい.過去の経驗から1例を抽出して反省を試みる.
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